永遠に続く夢をお見せしましょう---
本作は1958年7月3日から7月6日まで開催された「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」を中心に撮影が行われ、それを1日の夏の夜の出来事としてわずか83分の作品にまとめられました。翌1959年ヴェネチア国際映画祭で招待上映されるや、その大胆な撮影手法や映像の美しさが関係者に衝撃を与えました。
音楽と直接関係のないイメージを作品の随所に使用、観客にフォーカスしたシーン(映画全体の半分ほど)やアメリカズカップのヨットシーンなど、まるでビデオクリップのような映像は50年代のアメリカ文化を鮮烈に伝える、単なる音楽ドキュメンタリーにはとどまらない魅力に溢れています。
今回上映される4K版は国立フィルム保存委員会が修復をサポートのもと、監督の夫人であるシャナ・スターンと共に制作されました。
また、本作は国立フィルム保存委員会により、1999年アメリカ国立フィルム登録簿に登録されています。
監督は著名な写真家!バート・スターン
本作の監督バート・スターンは1929年10月3日、アメリカ・ニューヨーク州ブルックリン出身。撮影時弱冠28歳、一流企業の広告や有名雑誌の特集など広い分野で活躍する当時ニューヨークで最も人気のある写真家のひとりでした。
スタンリー・キューブリック監督の映画『ロリータ』(62)のポスターやオードリー・ヘプバーン、ブリジット・バルドー、マドンナのほか、死去6週間前のマリリン・モンローを撮影した写真集で大きな話題を呼び、大御所写真家として多くの作品を残しました。
撮影当時新進気鋭の写真家で、映画は未知の分野だったバート・スターンに白羽の矢を立てたのが、ニューポート・ジャズ・フェスティバルの発起人であるロリラードの夫人・エレインでした。熱狂的なジャズファンであったスターン監督はこれを快諾した、と言われています。
本作は新進気鋭の写真家らしい、どこを切り取っても美しい写真のような場面が大きな見どころのひとつです。