人口345万人、南米の小国ウルグアイから飛び出した
世界一貧しい大統領ホセ・ムヒカのドキュメンタリー
収入の大半を貧しい人々のために寄付し、職務の合間にはトラクターに乗って農業に勤しむ。風変わりだけど自然体で大統領という重責を担った、南米ウルグアイの第40代大統領ホセ・ムヒカ。「世界で一番貧しい大統領」と全世界から注目を浴びるようになったのは、2012年のリオデジャネイロでのスピーチだった。まん丸な体とやさしい瞳のムヒカから放たれたのは、環境危機を引き起こしている真の原因は、消費至上主義であるという鋭くも真っ当な指摘。経済発展は必ずしも人類の幸福に結びついておらず、むしろ経済格差が広がり続ける現状を憂い、怒り、よりよい未来に向けて行動を起こせと呼びかけたのだ。このスピーチは世界中に感動を与え、ムヒカは2013年、14年とノーベル平和賞にノミネート、日本でも多数の本が出版され2016年には初来日を果たした。
ムヒカを尊敬する映画監督エミール・クストリッツァが
その功績と意外すぎる過去を掘り起こす!
国民のより良い生活のために自己犠牲をいとわず、予想外の政策を打ち出すムヒカ。そんな姿に憧れる映画監督がいた。それは故郷ユーゴスラビアの混沌とした時代と庶民をパワフルに描き、世界三大映画祭で絶賛された名匠エミール・クストリッツァだ。民族や宗教の対立が故郷を引き裂く悲劇に巻き込まれたクストリッツァは、トラクターに乗る大統領の存在を知り、「世界でただ1人腐敗していない政治家だ」と直感。2014年からムヒカの撮影を開始し、大統領としての任期満了する感動の瞬間までをカメラに収めた。極貧家庭に育ち、左翼ゲリラとして権力と戦い、愛するパートナーと離ればなれの苛烈な拘留生活を経て、大統領として国民に愛されたムヒカ。波乱万丈の人生が終盤にさしかかった彼が語る言葉に、今こそ耳を傾けたい。
2018年/ アルゼンチン・ウルグアイ・セルビア合作 / 74分
監督:エミール・クストリッツァ
原題:El Pepe, Una Vida Suprema
出演:ホセ・ムヒカ/ルシア・トポランスキー/ エレウテリオ・フェルナンデス=ウイドブロ/マウリシオ・ロセンコフ/他
配給:アルバトロス・フィルム
上映場所 | ソレイユ・2(地下) |
上映期間 | 6/19(金)~7/2木) |
6/19(金)~6/25(木) | ①13:55 ②19:25 |
6/26(金)~7/2(木) | ①14:10 ②19:50 |
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