『ポラロイド』【8/30~】

2019/06/16

このカメラは、撮ったその場で「死」を吐き出す。

それは、1本のショートフィルムから始まった。
2015年にスペインのトレモリノスファンタスティック映画祭で発表された短編映画『POLAROID』は、そのあまりの恐ろしさと“ポラロイドカメラ”=死の装置となる斬新なアイデアで「最優秀ショートホラーフィルム賞」を獲得。ホラー映画ファンの話題をさらった。当時ほぼ無名であったノルウェー出身の監督ラース・クレヴバーグの才能はすぐさまハリウッドの目に留まり、映画監督としてのキャリアは浅いながらも、セルフリメイクしてハリウッドデビュー作品『ポラロイド』を全く新しく、そして前作をはるかに超える恐怖を生み落した。
そして、更にその勢いはとどまることを知らず、クレヴバーグ監督は“殺人人形チャッキー”でその名を轟かせ映画史に残る名作ホラータイトルのリブート版『チャイルド・プレイ』の監督にも大抜擢。今後のホラー界を担う新たな才能として目が離せない存在である。

本作は元祖インスタントカメラとして1972年にポラロイド社が発表して以来、アンディー・ウォーホルほか名だたるアーティストが愛用したといわれるヴィンテージカメラの名機“ポラロイドSX-70”がアンテークショップでアルバイトをするカメラ好きの女子高生バードの手に渡ることから物語は始まる。

写真はSNSに投稿するのが当たり前の時代、撮ったその場で写真が現像され形として残るインスタントカメラがまたひそかに若い世代を中心に再び注目を集めている昨今、時代を超えて廻りくる曰くつきポラロイドカメラが、この夏、あなたを恐怖のどん底に引きずり込む---

さぁ笑って。
その笑顔が人生最期の1枚になる。

アナログカメラが趣味の女子高生バードはアンティークショップでアルバイトをしている。そんなある日、店番中に買付けから戻ってきたバイトの同僚タイラーから“掘り出し物品”として見つかったポラロイドカメラの名機“SX-70”をプレゼントされる。かつて名だたるアーティスト、写真家たちが愛した稀少価値の高いそのカメラにすぐさま心惹かれたバードは迷わずそのカメラを受け取った。40年以上のヴィンテージ品ではあるが早速試し撮りにタイラーを撮影、不具合もなく写真が現像された。

その晩、バードはクラスメイトが開く仮装パーティに参加する。あまり乗り気はしなかったが、幼馴染のケイシーの押しに負け渋々参加する羽目になったのだ。パーティに持参するポラロイドカメラを用意した際ふとバイト先で撮ったタイラーの写真に目をやると彼の傍に人影にもみえる黒い<影>のようなものが写り込んでいた。一瞬嫌な予感が走るも深く考えることを止めその写真を鞄にしまった。

普段、学校では友人が少なく孤独になりがちなバードだったが、パーティでは密かに想いを寄せるコナーやクラスメイトたちが彼女が持つポラロイドカメラに興味を示したことをきっかけに、楽しいひと時を過ごし、パーティの思い出にそのカメラで記念写真を撮るのだった。しかしそんな楽しい時間もつかの間、保安官がやってきたことで、パーティは突然お開きとなる。保安官になぜだか呼び出されるバード、アルバイト先の同僚タイラーの不審死が告げられる。夕方会った時はあんなに元気だったのになぜ?ひどいショックを受けるバード。

家に戻り再びタイラーの写真を見ると、彼の傍に写っていた<影>が消えていることに気付いたバードは、妙な不安に駆られパーティで撮った他のポラロイド写真を見返すと、その中の1枚クラスメイトのエイヴリーの自撮り写真に同じ<影>らしきものが写っていた。更に不吉な予感を覚えるバードだったがその予感は的中。翌日学校に行くと、エイヴリーが見るも無残な遺体となって発見されたことが知らされるのだった。そして、あの<影>はまたもや彼女の写真から消え、次はコナーや、幼馴染ケイシーも写る集合写真に移動していた。悪夢の元凶がポラロイドカメラにあることを確信するバードだったが、撮影者バード自身も被写体の後ろにある窓ガラスに反射し写り込んでいることが発覚。残された時間はあと僅か。
この死の連鎖は断ち切れるのか、そしてこのカメラに隠された衝撃の真実とは---。

 

2019年/アメリカ /88分
監督:ラース・クレブバーグ
原題:Polaroid
出演:キャスリン・プレスコット /グレイス・ザブリスキー /タイラー・ヤング/サマンサ・ローガン/ハビエル・ボテット /他
配給:ギャガ

 

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 8/30(金)~9/12(木)
8/30(金)~9/5(木) ①14:40 ②19:10
9/6(金)~9/12(木) ①12:15

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