『マローボーン家の掟』【6/14~】

美しい楽園で死体とともに暮らす若き4人兄妹
純粋無垢な彼らが守る“掟”が打ち破られたとき、
屋敷に隠された恐ろしい秘密と邪悪な何かが動き出す

ハリウッドのメガヒット・シリーズ通算第5作『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のメガホンを執り、2018年洋画興収成績ベストワンに輝いた日本を始め、世界各国で大ヒットさせたJ・A・バヨナ監督。若くしてスペインを代表するフィルムメーカーとして名を馳せ、今や最も注目される才能のひとりとなった彼が、初めて製作総指揮を務めた作品が『マローボーン家の掟』である。

バヨナがこのプロジェクトに並々ならぬ情熱を注いだことには大きな理由がある。彼の出世作となった『永遠のこどもたち』『インポッシブル』の脚本を手がけた盟友、セルヒオ・G・サンチェスの監督デビュー作だからだ。「脚本を読み終えたとき、本作が驚くほど素晴らしい映画になることはわかっていた」と語るバヨナは、サンチェスの新たな挑戦を全面的にサポートし、あらゆる製作過程においてクリエイティブな助言を惜しまなかったという。そしてバヨナの予感は見事に的中し、このうえなく魅惑的なシチュエーションの中に想像を絶する謎、恐怖、衝撃が渦巻くスパニッシュ・スリラーがここに誕生した。

海沿いの森の中にひっそりとたたずむ大きな屋敷。そこに暮らすマローボーン家の4人兄妹は、不思議な“掟”に従いながら、世間の目を逃れるように生きていた。忌まわしい過去を振りきり、この屋敷で再出発を図る彼らの願いは、自由で幸せな人生をつかむこと。しかし心優しい母親が病死し、凶悪殺人鬼である父親を殺害したことをきっかけに、4人の希望に満ちた日々はもろくも崩れ出す。彼らが住む屋根裏部屋から響いてくる不気味な物音、鏡の中にうごめく怪しい影。いったいこの屋敷には、いかなる秘密が隠されているのか。やがて平穏を保つための“掟”が次々と破られ、心身共に追いつめられた長男ジャックが、最愛の妹と弟たちを守るために下した決断とは……。

スペインの類い希な才能と米英の新世代俳優の
濃密なコラボレーションによって完成した
想像を絶する謎と衝撃に満ちたサスペンス・スリラー

サンチェス監督が自身のオリジナル脚本を映画化した本作は、閉ざされた美しい楽園に生きる4人兄妹の日常が、屋敷内に潜む邪悪な何かによって崩壊させられていく様を映し出す。4人は「僕たちはひとつ」と誓い合った固い絆で結ばれているが、彼らが住む屋敷には父親の死体が放置され、なぜか家じゅうの鏡にはシーツがかけられている。そんな観る者の好奇心を刺激するシチュエーションをいっそう謎めかせているのが、兄妹が身を守るための“5つの掟”だ。「成人になるまでは屋敷を離れてはならない」「鏡を覗いてはならない」「屋根裏部屋に近づいてはならない」「血で汚された箱に触れてはならない」「“何か”に見つかったら砦に避難しなくてはならない」。屋敷に立ちこめる不穏な気配やこの世ならぬ怪現象に脅える兄妹は、これらの掟に背いてしまった瞬間、さらなる極限の恐怖に見舞われていくのだ。

心理的なスリルをかき立ててやまない繊細なビジュアル、全編至るところに謎と伏線をちりばめた巧妙なストーリーテリング。そのひとときも目の離せない濃密な映像世界は、やがて最大の衝撃が炸裂するクライマックスへと突き進んでいく。すべての秘密が解き明かされるそのシークエンスには、あらゆる観客の想像力を超えた“恐ろしくも切ない”真実が待ち受けている。純真な子供たちが大人への成長過程で直面する過酷な試練、すなわちイニシエーションという普遍的なテーマを、残酷童話の趣もある一級のサスペンス・スリラーに仕上げたサンチェス監督とバヨナのコラボレーションに驚嘆せずにいられない。

撮影監督のシャビ・ヒメネス、音楽のフェルナンド・ベラスケスといったスペイン映画界の敏腕スタッフが結集した本作は、イギリスとアメリカの新世代スターたちのアンサンブルも見逃せない。『サンシャイン/歌声が響く街』『はじまりへの旅』のジョージ・マッケイ、『ニンフォマニアックVol.2』『サスペリア』のミア・ゴス、TVシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のチャーリー・ヒートン、新たな名子役の出現を確信させるマシュー・スタッグが、マローボーン家の4人兄妹をみずみずしく体現。そして『スプリット』『ミスター・ガラス』のアニャ・テイラー=ジョイが、ただひとり兄妹と心を通わせる重要なキャラクターを好演している。

 

2017年/スペイン・アメリカ合作 /110分
監督:セルヒオ・G・サンチェス
原題:Marrowbone
出演:ジョージ・マッケイ/アニヤ・テイラー=ジョイ/チャーリー・ヒートン/ミア・ゴス/マシュー・スタッグ/他
配給:キノフィルムズ

 

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 6/14(金)~6/27(木)
6/14(金)~6/20(木) 時間未定
6/21(金)~6/27(木) 時間未定

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