大杉漣、初プロデュースにして最後の主演作
受刑者に対して道徳心の育成、心の救済につとめ、彼らが改心できるよう導く“教誨師”。死刑囚専門の教誨師である牧師・佐伯は、独房で孤独な生活を送る死刑囚にとって、よき理解者であり、格好の話し相手だった。真剣に思いを吐露する者もいれば、くだらない話に終始したり、罪を他人のせいにする者もいる。皆、我々と変わらない人間でありながら、どこかで道を誤ったり、ちょっとしたボタンの掛け違いによって、取り返しのつかない過ちを犯した人々。一方の佐伯は彼らに寄り添いながらも、自分の言葉が本当に届いているのか、死刑囚たちが心安らかに死ねるよう導くのは正しいことなのか苦悩する。その葛藤を通して佐伯もまた、はじめて忘れたい過去と対峙し、自らの人生と向き合うことになる…。
「教誨師」の解説
6人の死刑囚と対話する教誨師の男を描く。ほぼ教誨室での会話劇ながら息つく暇もない約2時間、役者たちの緊張感溢れる演技の応酬によって浮かび上がる人間の本質。時にユーモアも交えながら展開される、“死”の側からとらえた強烈な“生”の物語だ。主人公・佐伯を演じるのは、2018年2月に急逝した大杉漣。複雑な人間像を圧倒的な存在感で演じ切る。そして大杉にとって最後の主演作であり、また唯一のプロデュース作となった。監督は『ランニング・オン・エンプティ』の佐向大。(作品資料より)
2018年/日本 /114分
監督:佐向大
出演:大杉漣/玉置玲央/烏丸せつこ/五頭岳夫/小川登/他
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
上映場所 | ソレイユ・2(地下) |
上映期間 | 10/26(金)~11/8(木) |
10/26(金)~11/1(木) | ①9:10 ②15:40 |
11/2(金)~11/8(木) | ①10:00 ②14:30 |
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