『ふきげんな過去』【10/1~】

2016/07/14

小泉今日子 × 二階堂ふみ × 前田司郎
可笑しくも切ない、愛と孤独と成長の「ひと夏」の物語。 

過去と未来が隣接する物語。本作の脚本・監督を務める前田司郎は、『ふきげんな過去』のアイディアをゼロから生みだした。三島由紀夫賞、向田邦子賞受賞、岸田國士戯曲賞など錚々たる賞を受賞し、劇団「五反田団」を主宰する、異才の劇作家・前田司郎が、『ジ、エクストリーム、スキヤキ』から満を持してオリジナル脚本で人間ドラマに挑んだ。主演は二人の女優。まず未来子役としてオファーしたのは、独自の存在感でトップスターの座に君臨し、『毎日かあさん』以来5年ぶりの主演となる小泉今日子。圧倒的なカリスマ性を誇る彼女は、人生観や恋愛哲学が注目される唯一無二の女優である。そして果子役には、日本映画界の若きミューズ二階堂ふみ。若手演技派として抜群の存在感を誇る21歳は、個性的な役どころの多かった彼女には珍しく自然体の演技で臨んだ。そんな二人を贅沢にもW主演にむかえ、最強のタッグが実現。自分が本当の母親だという未来子の出現によって、退屈していた女子高生の果子は、眩い生き生きとした世界を見てしまう。そんな二人のひと夏の物語だ。まるで夏休みに宝島を探しに行くような、可笑しくも切ない、愛と孤独と成長の物語が誕生した。

【ストーリー】

いかにも不機嫌そうな果子(二階堂ふみ)が運河を睨んでいる。毎日が死ぬほど退屈でつまらない果子は、けれどそこから抜けだして他に行くこともできず無為に日々を過ごしていた。
ある夏の日の午後、果子たち家族の前に、18年前に死んだはずの伯母・未来子(小泉今日子)が、突然戻ってきて告げる。
「あたし生きてたの」。

北品川にある古びた食堂――エジプト風豆料理屋『蓮月庵』を営む祖母サチ(梅沢昌代)と母サトエ(兵藤公美)と、なにもしない父タイチ(板尾創路)は、未来子との奇跡の再会に慌てふためき涙している。そんな家族の様子を、果子は小学生のいとこのカナ(山田望叶)と冷めた目で見つめる。

未来子は、果子の母サトエの姉で伯母だ。果子が赤ん坊のころ爆破事件を起こした前科持ちで、死んだはず…だった。だが、未来子はピンピンして生きている。爆弾作りに生きがいを感じ生業にする未来子にとって、死んだままでいることで都合が良かったという。
「しばらく匿ってよ」

戸籍もなく何かに追われているらしい未来子。
家族は果子の部屋に未来子を居候させようとする。だが果子は納得いかない。しかも父と未来子が何やら怪しい関係にも見える。母も未来子に対して気まずそうだ。突然現れた未来子がもたらした家族の不協和音と、全体的に図々しい彼女に苛立ちを隠せない果子。

だが果子は、いみじくも未来子の言葉に救われる。
「みんな寂しいんじゃない? 一人で居ても家族と居ても」

実は果子は、家族に対し微妙な違和感があった。さらに同級生とのささやかなトラブルを抱えており、鬱屈とした夏を過ごしていた。商店街の喫茶店に通っては、その店に出入りする黒い帽子を被った謎の男・康則(高良健吾)を観察することで、退屈をしのいでいた。彼だけは、ここではない世界へ連れて行ってくれるのではないかと空想しながら。
「叔母さん、なんで死んだの?」

そう問いかける果子に未来子は応えた。
「あんたと同じでつまらなかったの」

見えるものばかり見ても仕方がない、という未来子に、眩い生き生きとした世界を見てしまう果子。そして自分が本当の母親だというが…。

poster22016年/日本 /120分/
監督:前田司郎
出演:小泉今日子/二階堂ふみ/高良健吾/山田望叶/兵藤公美 他
配給:東京テアトル

上映場所 ホールソレイユ(4F)
上映期間 10/1(土)~10/14(金)
10/1(土)~10/7(金) ①13:35 ②20:10(レイト)
10/8(土)~10/14(金) ①10:00 ②16:35

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