『ひそひそ星』【7/30~】

2016/05/10

シオンプロダクション第一回製作作品

構想25年。映画監督・園子温が
本当に撮りたかったむき出しの作家性をぶつけた珠玉の野心作。

常に時代を挑発し、世の凝り固まった常識に疑問符を投げかける映画監督・園子温。本作『ひそひそ星』は、この鬼才が自ら2013年に設立したシオンプロダクションの第一回作品である。『地獄でなぜ悪い』(13)『ラブ&ピース』(15)と同じく、園子温が20代の時に書き留めていたオリジナルの物語が、“いま”を映す映画として満を持して産声を上げる。構想25年を経て結実したモノクロームのSF作品だ。
主人公はアンドロイドの女性。鈴木洋子“マシンナンバー722”は、昭和風のレトロな内装の宇宙船レンタルナンバーZに乗りこみ、静寂に包まれた宇宙を何年も旅している。いくつもの寂しい星に降り立っては、すでに滅びゆく絶滅種と認定されている人間たちに大切な思い出の品を届けるために……。

【ストーリー】

人類はあれから何度となく大きな災害と大きな失敗を繰り返した。その度に人は減っていった。宇宙は今、静かな平和に包まれている。機械が宇宙を支配し、人工知能を持ったロボットが全体の8割、人間は2割になっている。すでに宇宙全体で人間は、滅びていく絶滅種と認定されている。科学のほとんどは完結しているが、人間は昔と同様、百年生きるのがせいぜいだ。人間の人口は、宇宙の中でしだいに消え入るローソクの火のようだ。
アンドロイドの鈴木洋子 マシンナンバー722 は、昭和レトロな内装の宇宙船レンタルナンバーZに乗り込み、相棒のコンピューターきかい6・7・マーMと共に、星々を巡り人間の荷物を届ける宇宙宅配便の配達員をしている。宇宙船での旅はたいくつ極まりない。しかし、マシンである洋子は退屈を感じないし、まめに船内を掃除したり、旅を記録したり、相棒のきかい6・7・マーMの故障を修理したりで長い宇宙時間をマシンらしく過ごしている。
人間に届ける荷物は、帽子だったり、えんぴつや、洋服だったりとさほど重要に見えるものはない。配達には何年もの年月がかかるのだが、マシンである洋子には、なぜ人間が物体をどんな距離にでも瞬時に移動できるテレポーテーションがある時代に、数年もの時間をかけて物を届けるのか理解ができない。洋子は“距離と時間に対する憧れは、人間にとって心臓のときめきのようなものだろう“と、推測している。洋子は様々な星、ウルツ星やパラスゼロ星に降り立ち、かつて人々でにぎわった街や海辺に荷物をとどけていく。荷物を受け取る人々の反応は様々だが、誰もがとても大切そうに、荷物をひきとっていく。30デシベル以上の音をたてると人間が死ぬおそれがあるという“ひそひそ星”では、人間は影絵のような存在だ。洋子は注意深く音をたてないように、ある女性に配達をする。すると・・・。

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2015年/日本/100分/監督:園子温
出演:神楽坂恵/遠藤賢司/池田優斗/森康子 他
配給:日活

上映場所 ソレイユ・2(地下)
上映期間 7/30(土)~8/12(金)
7/30(土)~8/5(金) ①10:10 ②17:45 ③19:50
8/6(土)~8/12(金) ①10:20 ②14:55

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