『イヴ・サンローラン』【11/29~】

2014/11/28

2014年ベルリン国際映画祭 パノラマ部門オープニング作品

あなたは目撃する。永遠のエレガンス誕生の瞬間を。

【ストーリー】
「偉大なメゾンを率いるには、若すぎませんか?」1957年、パリ。クリスチャン・ディオールの死後、21歳で後継者に指名されたイヴ・サンローラン(ピエール・ニネ)は、記者会見でそう聞かれて表情を硬くする。だが、初めてのオートクチュールコレクションは華々しい成功を収め、“トラペーズ・ライン”を発表したイヴは鮮烈なデビューを飾る。
イヴの輝くような才能は、人々を魅了した。ミューズであり、人気モデルのヴィクトワール(シャルロット・ルボン)は、「パリ・マッチ」誌の権力者と結婚するが、イヴに惹かれていた。26歳にして、アーティストの後援者として名を成していたピエール・ベルジェ(ギョーム・ガリエンヌ)も、その一人だ。イヴもまた、ディナーの席で出会ったピエールに強く惹かれる。恋におちた二人は、まもなく一緒に暮らし始める。
デザインに集中したいイヴにとって、顧客への対応やマスコミの取材は重荷だった。その上、兵役の問題が彼の繊細な心にのしかかる。イヴの出身地で今も両親が住むフランス領アルジェリアが、独立戦争で揺れているのだ。ピエールは、「君には才能がある。あとは私がやる」とイヴを支えると誓い、すべての雑務を引き受ける。しかし、召集までは避けられなかった。フランス陸軍入隊から1カ月経たない内に、ストレスに心を打ち砕かれたイヴは神経衰弱のため、軍の精神病院に入院する。
除隊後、病気を理由にディオール社から契約を打ち切られるイヴ。戦おうとするピエールに、イヴは「僕たちのメゾンを持とう」と提案、「デザインで自分を表現するために、君と生きていく」と宣言するイヴに、ピエールも心を決める。

イヴが精神病院で治療を受けたことが世間に広まり、出資がなかなか集まらない。1961年、ピエールの努力が実り、ヴィクトワールの尽力もあり、イヴ・サンローラン社を設立。クリスチャン・ディオールに対する不当解雇の訴訟にも勝利し、遂に第1回のコレクションが幕を開ける。カーテンの影で緊張に震えるイヴを励ますように見守るピエール。皆に促されて最後に出て行き、恥ずかしそうに頭を下げるイヴに、熱狂的な拍手が贈られる。
「退屈だ」とけなすメディアもあれば、「モードの天才」と讃える者もいる。常にプレッシャーと闘ううちに、精神が擦り切れて行くイヴ。彼を守ろうとするピエールの干渉に耐えられないこともあった。
スランプに陥ったイヴは、ある日モンドリアンの画集を見て、天啓を受ける。溢れるようにアイディアがわき、1964年“モンドリアン・ルック”が誕生。アメリカへの進出も果たす。そして1966年“スモーキング”を発表、女性にタキシードを着せたパンツスーツを生み出す。満を持して手掛けたプレタポルテのブティック、リヴ・ゴーシュも大ヒット、ウォーホルの絵に描かれ、まさに時の人となる。
だが、ファッション界のトップに駆け上ったイヴの口から出た言葉、それは──「孤独だ」。新たなるミューズ、ルル・ド・ラ・ファレーズ(ローラ・スメット)と出会い、日々のストレスから逃れようと仲間たちと快楽におぼれていく。魅力的な愛人、ジャック・ド・バシェール(グザビエ・ラフィット)と出会ったのもその時だ。アルコールと薬で魂の痛みを麻痺させながら、振り絞るように華麗なクリエーションを続けるイヴ。1976年、コレクションを目前に、とうとうイヴは力尽きてしまうのだが──。

イヴ・サンローラン大

2014年/フランス/106分/ PG-12監督 脚本 脚色:ジャリル・レスペール
出演:ピエール・ニネ/ギョーム・ガリエンヌ/シャルロット・ルボン他
配給:KADOKAWA

 

12/13(土)~12/19(金)①12:20

上映場所 ホールソレイユ(4F)
上映期間 11/29(土)~12/19(金)終了
12/6(土)~12/12(金) ①11:40 ②18:25

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