『2つ目の窓』【10/11~】

2014/10/10

神の島・奄美大島を舞台に、二人の少年少女の初恋と成長を通して描く、つながっていく命の奇跡。

1997年『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を史上最年少で受賞して以来、2003年の『沙羅双樹』(コンペティション部門選出)、そして2007年には『殯の森』でグランプリ(審査員特別賞)受賞と、作品を発表するごとに世界の晴れ舞台で注目を集めてきた映画監督河瀬直美。「目に見えるものだけがすべてじゃない。目に見えないものをスクリーンに焼きつけたい。」デビュー当時から一貫してそう語ってきた監督は、これまで生まれ故郷の奈良を舞台に、人の想い、光や風、今は亡き者たちの面影を映像へと昇華してきた。そして2014年、四たび、同映画祭コンペティション部門に選出された『2つ目の窓』の舞台として彼女が選んだのは、いまなお自然と神と人が共存する奄美大島。生命の源である海と深い森が放つ濃密なエネルギーが漲っている。

【ストーリー】
琉球列島の北端に位置する奄美大島では、ユタ神様が祭祀を司り、人びとは自然と神への畏敬の念とともに日々暮らしている。旧暦8月、島を挙げて行われる8月踊りの満月の晩、高校生の界人は、海に男性の溺死体を発見する。その場から走り去る彼を見ていた同級生の杏子に翌日問いかけられるも界人は自分の心の内を口にすることが出来ない。島民たちからユタ神様として慕われている杏子の母・イサは、医師からは余命宣告を受けていた。神様と言われながらも肉体の死から逃れられない母の存在に矛盾を感じ、死んだら二度と会えなくなるという現実を杏子は受け入れることができない。杏子はそんな行き場のない思いを界人にぶつけるが、界人は自分が杏子に求められていると知りつつもどう答えればよいかわからず、ただ寄り添いあうだけであった。一方、界人は恋人のいる母・岬の女としての一面にけがらわしさを感じており、その思いを胸に幼い頃に別れた東京で暮らす父のもとを訪れる。ある晩、些細なすれ違いから、岬の言動を激しくなじり、外に飛び出した界人が家に戻ると、岬の姿はなかった。いなくなって初めて母親の存在の大きさに気づいた界人は、嵐の中、岬を探しまわり……。

2つ目の窓ポスター
2014年/日本・フランス・スペイン合作/120分/R15+

監督:河瀬直美
出演:村上虹郎/吉永淳/杉本哲太/他
配給:アスミック・エース

上映場所 ホール・ソレイユ(4F)
上映期間 10/11(土)~10/31(金)終了
10/18(土)~10/24(金) ①13:45
10/25(土)~10/31(金) ①16:10

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