『THE ICEMAN 氷の処刑人』【4/12~4/25】

2014/04/12

100人殺した男

1960年代、米・ニュージャージー。最愛の妻と2人の娘に囲まれて、何不自由ない幸せな生活を送っていたリチャード・ククリンスキーには、家族すら知らない驚くべき秘密があった。家庭ではよき夫、よき父親として近所でも評判の彼の職業は、一流の“殺し屋”だったのだ―。86年に逮捕されるまでの約20年間に、彼が奪った命は100人以上と言われている。依頼された殺しをTPOに合わせ、銃殺、刺殺、薬殺、扼殺―と1件ずつ丁寧に遂行し続けた。被害者の死亡日時をごまかすために死体を冷凍保存して遺棄したことから“アイスマン”の異名をとった彼は、善悪ふたつの顔をどのように使い分けていたのか。家族は、なぜ彼の秘密に気づかなかったのか。ククリンスキーの心の闇をえぐった本作は、人間という生き物の大いなる謎を突きつける正真正銘の衝撃作だ。

驚くべき実話の映画化を構想したのは、これが長編3作目となるアリエル・ヴロメン。スポンサーを説得するためにテスト映像の製作を迫られた新鋭監督が、成否の鍵を握るククリンスキー役に白羽の矢を立てたのは、レオナルド・ディカプリオ主演の『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』(08)でアカデミー賞®助演男優賞にノミネートされた実力派であり、当代随一の怪優としても名高いマイケル・シャノンだった。常にキャラクターの真実味を追求する彼が、ククリンスキーの二面性を入魂の役作りで体現、ゾッとするような殺気と色気とを撒き散らし圧倒的な存在感を放つ。そんなシャノンとの共演を切望し、ウィノナ・ライダー、レイ・リオッタ、クリス・エヴァンス、ジェームズ・フランコら実力派キャストが顔を揃え、魅惑的な陰影に富んだ映像世界に鮮烈なアクセントを加えている。

【ストーリー】
1964年。リチャード・ククリンスキーは、デボラという女性と結婚し、子宝にも恵まれた。ある夜、ククリンスキーは、勤め先の工場でトラブルに巻き込まれ、ロイ・デメオというギャングに拳銃を突きつけられるが、まったく動じない。その度胸を見込んだロイはククリンスキーを裏社会へと誘う。妻子にいい生活をさせたいククリンスキーは、以来、ロイ専属のヒットマンとして血生臭い仕事を請け負うようになった。
1970年代半ば。ククリンスキーは、ニュージャージーの高級住宅街にマイホームを構えていた。妻を心から愛し、ふたりの娘を何よりも大切にしていた彼は、表向きは為替ディーラーと称している。よき夫であり、よき父親であるこの男が、まさか冷酷非情な殺し屋というもうひとつの顔を隠し持っているとは、誰にも想像できなかった。
やがて、ロイとの関係に亀裂が入り始めたククリンスキーは、公園でアイスクリームを売っている風変わりな殺し屋ミスター・フリージーに相談を持ちかけ、仕事を斡旋してもらうことにする。被害者の死亡日時をごまかすため、ククリンスキーたちは次々と死体を冷凍室へ運び込んだ。
1980年代初頭。ロイをはじめとするマフィアとの関係がさらに悪くなったククリンスキーは窮地に陥っていく。最愛の家族にまでマフィアの影が忍び寄り、怒りと焦燥が頂点に達するククリンスキー。このときすでに “アイスマン”を追う当局は、捜査線上に浮かんだククリンスキーへの包囲網を張り巡らせていた……。

アイスマンポスター
2012年/アメリカ/106分/R15+

監督:アリエル・ブロメン
出演:マイケル・シャノン/ウィノナ・ライダー/レイ・リオッタ/他
配給:日活

上映場所 ホール・ソレイユ(4F)
上映期間 4/12(土)~4/25(金)終了
4/12(土)~4/18(金) ①16:10 ②21:05(レイト)
4/19(土)~4/25(金) ①16:10 ②21:05(レイト)※20日のみなし

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