『東京難民』【3/15~4/4】

2014/03/15

底辺より怖い、底なし。堕ちたら最後―

主人公の時枝修には、話題作への出演が相次ぎ、今最も期待される若手俳優の一人、中村蒼。普通の若者がどん底まで落ちていく姿を見事に演じ切り、自身の新たなる代表作を生み出した。ホストになった修に入れ込み、人生を踏み外していく看護師の北条茜を情熱的に演じたのは、大塚千弘。その他、青柳翔、山本美月、中尾明慶、金子ノブアキら若手個性派が圧倒的な存在感をスクリーンに叩きつけ、井上順らベテランが味わい深い演技で観る者を温かく包みこむ。監督は、『半落ち』『ツレがうつになりまして。』等、現代社会を描くことに定評の高い佐々部清。福澤徹三の原作をもとに、バイオレンスやエロスにも果敢に挑戦、新境地を開いた。脚本は『あなたへ』で高い評価を得て、佐々部監督とは4度目のタッグとなる青島武。そして主題歌は映画『桐島、部活辞めるってよ』の主題歌「陽はまた昇る」で注目を集め、そのストレートな言葉で表現した歌詞が多くの若者の心を掴み人気急上昇中のシンガーソングライター高橋優の書き下ろし。切ないながらも希望を感じさせる歌詞、心に響く熱い歌声で本作のラストを彩る。

【ストーリー】
時枝修は、どこにでもいる大学生だった。授業をサボり、合コンで盛り上がり、気楽な毎日を送っていた。だが何の通知もなしに突然、授業料の未払いを理由に、大学を除籍される。生活費全般の面倒を見てくれていた父親が、借金を抱えて失踪したのだ。当然家賃の支払いも無く、アパートから強制的に追い出された修は、ネットカフェに泊まりながら日払いのバイトで食いつなぐ。ある日、騙されて入ったホストクラブで高額の料金を突きつけられ、その店で働くしかなくなるが、ホストの裏側を見てしまった修は無傷で抜け出すことが出来ず、ついにはホームレスにまで転落してしまう。

定職も住む所も無い“ネットカフェ難民”や、ファーストフード店で朝まで粘る“ファーストフード難民”たちの実態、華やかなホストの秘密のビジネス、“日雇い労働”の信じられない条件、そして貧困ビジネスの実態―これは、どこか遠い国の物語ではない。まさに現代日本のもう一つの顔なのだ。タブーとされる裏社会の素顔に容赦なく迫り、真正面からリアルに描き出すことで、いまだ存在する格差社会の真実を突き付ける。

東京難民ポスター
2013年/日本/130分/R15+

監督:佐々部清
出演:中村蒼/大塚千弘/青柳翔/山本美月/他
配給:ファントム・フィルム

上映場所 ホール・ソレイユ(4F)
上映期間 3/15(土)~4/4(金)終了
3/15(土)~3/21(金) ①14:30 ②19:50
3/22(土)~3/28(金) ①9:30 ②17:20
3/29(土)~4/4(金) ①16:00

[margin_5t]©2014「東京難民」製作委員会

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