『暁に祈れ』【2/15~】

“地獄”と呼ばれた刑務所をムエタイで生き抜け
魂を揺さぶる真実の物語

『暁に祈れ』は『新感染 ファイナル・エクスプレス』『チェイサー』など、時代を先取るエッジーな作品を世に送り出してきたカンヌ国際映画祭のミッドナイト・スクリーニング部門にて、2017年、大きな話題となり、批評家サイト、ロッテン・トマトでは96%の高評価を獲得した話題作だ。本作は汚職・レイプ・殺人が蔓延する実在のタイの刑務所〈チェンマイ中央刑務所〉と〈バンコク・クロンプレム中央刑務所〉に服役し、ムエタイでのし上がっていったイギリス人ボクサー、ビリー・ムーアの自伝ベストセラー小説がベースとなっており、リベリアを舞台に暗躍する反政府軍の少年兵たちの姿をバイオレントに描いた『ジョニー・マッド・ドッグ』で世界的に評価されたジャン=ステファーヌ・ソヴェール監督により映画化された。極限状態の中、孤軍奮闘する主人公ビリーを演じたのは、ジェレミー・ソルニエ監督のアクションスリラー『グリーンルーム』や、キリアン・マーフィーやトム・ハーディなど人気スターが揃うBBCのクライム・ドラマシリーズ「ピーキー・ブラインダーズ」で注目される新星、ジョー・コール。本作ではボクサー役を務めるため何か月も肉体改造に励み、鋼の肉体を手に入れ、過酷な30日間の撮影に挑んだ。繊細な演技とハードなアクションの両方を見せつける熱演ぶりは、同じく英国人俳優のトム・ハーディを彷彿とさせる。他にもニコラス・ウィンディング・レフン監督の『オンリー・ゴッド』で刑務所長を演じたヴィタヤ・パンスリンガムや、タイの伝説的なボクサーであるソムラック・カムシンなどが重要な役どころで出演するが、役者の大半は現地タイ人の元囚人たちが起用されており、彼らの実体験に基づいた迫真の演技により、観客はあたかもその場にいるような感覚に陥ってしまう。地獄に落とされたアウトローが人間性をはく奪されながらも、ムエタイを通じて光を見出していく本作は、ただのジャンル映画の枠には収まらない、パワフルな人間ドラマとして昇華している!

STORY

イギリス人ボクサーのビリー・ムーアは、人生の再スタートを切ろうとタイにやって来た。しかし、麻薬中毒となってしまった彼は、当初の目標を見失い、闇社会で行われるボクシングの試合に参加するようになる。稼いだファイトマネーはすべて、ヘロインとヤーバー(タイで出回っているドラッグ)につぎ込み、あてどなく街を彷徨う自堕落な日々。
ある日、警察から家宅捜索を受けた彼は、逮捕され、チェンマイの刑務所に収監されてしまう。言葉も分からず、頼る者もいない。足の踏み場もないほどの囚人たちで溢れかえった床で眠り、動物のように看守たちに小突かれ、追い立てられる。そんな中、喧嘩に巻き込まれたビリーは、独房に隔離されてしまう。その後、彼が移された房は、所内で最も凶悪な囚人たちが集う大部屋だった。そこはレイプ、殺人が横行する、生き地獄のような場所で、弱い者はすぐに他の囚人達によって屠られてしまうのだ。一日、そしてまた一日。ビリーはどうにか日々を生き延び、地獄から抜け出そうとするが、今度は看守から譲り受けたヘロインの虜となり、クスリと引き換えに他の囚人のリンチを請け負って、またもや独房行きとなってしまう。希望を失いかけたビリーだったが、独房の格子ごしに、ランニングに精を出す男たちの集団を目にする。その身体つきや面構えは、他の囚人達とは、どこか違うように見えた。彼らは所内に設置された「ムエタイチーム」に所属する囚人選手達だった。独房から出たビリーは意を決して、彼らの練習場所を訪れるが、けんもほろろに追い返されてしまう。ビリーは必死になって食い下がる。「戦いたいんだ。俺にはもう、それしかないんだ――!」 ようやく「ムエタイチーム」の一員となることを許されたビリーは、生まれ変わったように練習に励み、徐々にチームメイトたちとも打ち解け、ムエタイの技だけではなく、その精神も学んでいく……。

 

 

2017 年/ イギリス・フランス合作 / 117分/ R15+
監督:ジャン=ステファーヌ・ソベール
原題:A Prayer Before Dawn
出演:ジョー・コール/ポンチャノック・マブラン/ビタヤ・パンスリンガム/ソムラック・カムシン/パンヤ・イムアンパイ 他
配給:トランスフォーマー

 

上映場所 ホールソレイユ(4F)
上映期間 2/15(金)~2/28(木)
2/15(金)~2/21(木) 時間未定
2/22(金)~2/28(木) 時間未定

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