『イレブン・ミニッツ』【11/12~】

2016/09/12

本年度ベネチア国際映画祭、生涯功労金獅子賞受賞

カンヌ、ベネチア、ベルリン三大国際映画祭の主要賞を制覇した
ポーランドの巨匠、全世界待望の最新作!11分後に何かが起こる!!

11分後のあなたは何をしていますか?

 

17年ぶりの監督復帰作『アンナと過ごした4 日間』(08)が東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、続く『エッセンシャル・キリング』(10)でベネチア国際映画祭審査員特別賞、主演男優賞(ヴィンセント・ギャロ)W受賞の栄誉に輝いたイエジー・スコリモフスキ。華麗なる復活を果たし一躍映画界の最前線におどりでた彼の最新作『イレブン・ミニッツ』が、前作から5 年の歳月を経て完成しました。

デビュー作から半世紀にわたり映画界で活躍してきたスコリモフスキが監督・脚本・製作を手がけた本作は、リアルタイム・サスペンスの傑作! 午後5時に始まり5 時11 分に終わるこの物語は、大都会に暮らすいわくありげで見ず知らずの人々に起こる11分間のドラマをモザイク状に構成した、監督初の群像劇。限定された抽象的空間(『エッセンシャル・キリング』)や特殊な時間設定のあるドラマ(『身分証明書』『アンナと過ごした4 日間』)など、スコリモフスキ好みの映画スタイルによって描かれた運命のいたずらが、衝撃的なクライマックスによって、見る者の精神を覚醒させます。

観客誰もが想像し得ない前代未聞、驚愕のラスト・シーン起承転結のあるストーリー、詳細な心理描写、背景説明などを一切排し、使い古されたサスペンスという定番ジャンルの様式を、掟破りでラディカルなチャレンジ精神で突破した本作。監視カメラ、Web カメラ、カメラ付き携帯、CGといった様々なメディア技術を巧みに使い、ローアングル撮影、大胆な俯瞰シーン、スローモーション等、多種多様な質感と視点を駆使した魅惑の映像と、バイクの疾走音やジェット旅客機の爆音、救急車のサイレン等、都市空間ならではのシンフォニックなノイズが緻密な設計のもとに融合し、悲哀感ただよう人生の光と影を見事に表現しています。人々のありふれた日常が11分後に突如変貌してしまうという奇妙な物語を、テロや天災に見舞われる不条理な現代社会の比喩として描いたこの映画は、個人の生や死がサイバー・スペースやクラウドといった環境に取り込まれていく未来を予見していると言えるでしょう。78歳の巨匠が映画表現の新たな地平を切り拓く『イレブン・ミニッツ』。

ストーリー

午後5時前。顔に殴られた跡を残して、警察から自宅に戻ってきたヘルマン(ヴォイチェフ・メツファルドフスキ)。嫉妬深い彼は、妻で女優のアニャ(パウリナ・ハプコ)と諍いになるが、やがて睡眠薬を入れたシャンパンを喉に流し込み、寝てしまう。その間に、映画監督(リチャード・ドーマー)との面接のためにホテルへ向かうアニャ。午後5時。慌てて飛び起きたヘルマンは、アニャを追ってホテルへ向かう。そのホテルの前では、最近、刑務所から出たばかりの男(アンジェイ・ヒラ)が、ホットドッグの屋台を開いていた。一方、人妻とドラッグをやりながら情事に耽っていたバイク便の配達員(ダヴィド・オグロドニク)は、彼女の夫が帰宅したため、慌てて逃げ出す。やがて、父親であるホットドッグ屋台の主人に電話で呼ばれ、ホテルへ向かう。そのホテルの一室で、ポルノ映画を見ている一組の男女。そして彼らの頭上には、着陸態勢に入ろうとする旅客機の姿があった……。午後5時から5時11分までの11分間、様々な人々の運命が絡み合い、やがて迎える結末は……。

7bec347b43c1263e2015年/ ポーランド・アイルランド合作 /81分/PG12
原題:11 minut
監督:イエジー・スコリモフスキ
出演:リチャード・ドーマー/ボイチェフ・メツファルドフスキ/パウリナ・ハプコ/アンジェイ・ヒラ/ダビド・オグロドニク
配給:コピアポア・フィルム    

上映場所 ホールソレイユ(4F)
上映期間 11/12(土)~11/25(金)
11/12(土)~11/18(金) ①11:50 ②18:00
11/19(土)~11/25(金) ①14:55 ②※18:50

※11/23(水:祝日)に限り、18:50~の回上映ありません。

[margin_5t](C)2015 SKOPIA FILM, ELEMENT PICTURES, HBO, ORANGE POLSKA S.A., TVP S.A., TUMULT

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