『葛城事件』【9/3~】

2016/07/07

無差別殺人事件の背景にある闇を炙り出す、壮絶な家族の物語。

普通の家族が、なぜ崩壊し、無差別殺人事件を起こした死刑囚を生み出してしまったか?

2012年に『その夜の侍』(監督・脚本/堺雅人主演)で監督デビューを果たし、同年の新藤兼人賞金賞、ヨコハマ映画祭・森田芳光メモリアル新人監督賞を受賞。モントリオール世界映画祭、ロンドン映画祭、台北金馬奨映画祭などに正式出品されるなど国内外で高い評価を得た。劇団THE SHAMPOO HATの旗揚げ以来、全作品の作・演出・出演を担当。赤堀が描く登場人物とその生き様は、人間の本質に根ざす無様さや滑稽さ、残酷さや狂気までをあぶり出し丁寧に描き出す。その独特の世界観は“赤堀ワールド”と言われ、熱狂的なファンを持つ

『葛城事件』は、2013年に赤堀の作・演出で、初舞台となる新井浩文や鈴木砂羽らの客演で話題を呼んだ同名舞台の映画化。今回の映画化にあたり、監督自身が新たに改稿した。主人公の葛城清役に三浦友和。青春スターを経て、善人から悪役、コミカルな役など硬軟幅広くこなせる日本を代表する俳優。「清役は三浦さん以外に考えられない」という監督からの熱いオファーを受け、今回の主演が決まった。思い描いた理想の家族を求めながらも、崩壊へと向かわせてしまった父親を鬼気迫る迫力で演じている。そして、次第に精神を病んでいく妻の伸子役に南果歩、長男の保役は舞台版「葛城事件」では稔役を演じた新井浩文、次男の稔役にはオーディションで選ばれた若葉竜也、さらに死刑制度反対の立場から稔と獄中結婚する女性に田中麗奈と実力派俳優が集結し、問題をそれぞれに抱え、極限に立たされていく家族を演じている。また、劇団THE SHAMPOO HATの劇団員をはじめ、舞台好きにはたまらない役者陣が脇を固めている。

周囲を取り巻く人間の様々な感情が交差しながら、観る者の心を鋭く抉る濃密な人間ドラマが完成した。

【ストーリー】

どこにでもありそうな郊外の住宅地。ボソボソと「バラが咲いた」を歌いながら、葛城清(三浦友和)は、古びた自宅の外壁に大量に落書きされた「人殺し」「死刑」などの誹謗中傷をペンキで消している。やがて庭へと移動し庭木にホースで水を撒きながら、ふと、この家を建てた時に植えた、みかんの木に生(な)る青い実に手を延ばす―――。

親が始めた金物屋を引き継いだ清は、美しい妻・伸子(南果歩)との間に2人の息子も生まれ、念願のマイホームを建てた。思い描いた理想の家庭を作れたはずだった。しかし、清の思いの強さは、気づかぬうちに家族を抑圧的に支配するようになる。 長男・保(新井浩文)は、子供のころから従順でよくできた子供だったが、対人関係に悩み、会社からのリストラを誰にも言い出せずにいた。堪え性がなく、アルバイトも長続きしない次男・稔(若葉竜也)は、ことあるごとに清にそれを責められ、理不尽な思いを募らせている。清に言動を抑圧され、思考停止のまま過ごしていた妻の伸子は、ある日、清への不満が爆発してしまい、稔を連れて家出する。そして、迎えた家族の修羅場…。葛城家は一気に崩壊へと向かっていく。

poster22016年/日本 /120分/PG12
監督:赤堀雅秋
出演:三浦友和/南果歩/新井浩文/若葉竜也/田中麗奈 他
配給:ファントム・フィルム

 

上映場所 ホールソレイユ(4F)
上映期間 9/3(土)~9/23(金)
9/3(土)~9/9(金) ①12:30 ②18:55
9/10(土)~9/16(金) ①12:15 ②16:55
9/17(土)~9/23(金) ①18:50

[margin_5t](C)2016「葛城事件」製作委員会

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